高専夏油先輩との任務帰りにスパンキングされちゃう話
すぐるくん、と自分の名前を呼ぶ声に応えきれずに夏油は彼女の尻に手を振り下ろす。なぜそうしてしまうかはわからなかったが、乾いた音とほぼ同タイミングで彼女はなかをぎゅうと絞り上げ、夏油を誘う。きっと彼女の白かった肌は赤くなっているに違いない、と思いながらも夏油はその手を止められず、一方で自分の上で腰を振る彼女のことをもっとめちゃくちゃにしてしまいたくて自分も腰を打ち付けながら合間に彼女の名前を呼ぶ。
乾いた音が彼女の肌から弾けて、一緒にそれを起点に彼女の喉の奥から悲鳴みたいな嬌声が絞り出されて、彼女の上体が自分の上にもたれ掛かる。びくびくと上下する彼女の身体を夏油は再度掴みなおして、最後はもっと自分勝手に身体を揺らす。終いに彼女が自分の上で力なく崩折れるのをいいことに、一番おくにゆっくり精を吐いても彼女の背筋とふくらはぎはまだかすかに震えていた。彼女は力なく自分の上に跨ったままで、夏油のシャツを熱い吐息で湿らせている。つながったままのところからびちゃびちゃとお互いの入り混じった体液が太腿をつたうのに気付き、やっと夏油は彼女をベンチに下ろす。
***
東京から一応隣、いちおう、と強調して言いたくもなる山奥に来ているのは、
マリエの体力がないせいだった。あまりにも呪力と体力の釣り合いが取れていない、とさまざま教師に指摘されていた
マリエが、あまりフィジカルのいらない任務にやっと払い出されたのは当然のことだ。さらにその初戦のお供が祓除対象はおとなしくかつ程々にレアで探索向きで手持ちにないから、との理由で夏油がペアになるのもわかりやすく当然のように見える。学年の差も実力の差もはっきりあるからこそ二人で送り込んでよいでしょう、と判断するに至る理由はそこかしこにあって、本人ですら抵抗するには納得が先行してしまう。
抵抗の理由は当人たちしか知らないが、それは先々週の週末に、デートの帰りにうっかりホテルに誘ってしまったからだった。今日はお外でいかが?と円山町へ誘う夏油の発言に耳まで赤くした
マリエは帰りの電車までずっと無言で、それ以来今日に至るまで姿を一度も夏油の前に現さなかった。気配はもちろんあるし、授業を受けているのはわかっていたが、グラウンドを走る声がしたとしても、夏油が窓の外に視線を向けたタイミングで消えていたり、自主練でいつも使っている空き地にも姿はない。
同級生であるところの後輩らに探りを入れても、彼らの目には何も普段と変わらない様子であるようだった。自主練ですか?なんかメニューを変えるって言ってましたけど、と後輩の片方は言い、もう片方は先程までここにいた旨を告げる。そんな始末だったので、夏油にとってはこの任務は渡りに船としか言いようがなかった。もちろん行きの車の中では、早々に眠ってしまった彼女が口を利いてくれることなどなかったのだけれども。
任務は早々に終わる。明らかに一人でも良いが、あれ一人では不安が残るので、という理由だったから夏油は早々に適当なところに座りながら結果を待ち、最後に呪霊を回収しただけだった。むしろ村全体をくまなく探し歩いたせいで
マリエは疲れ切っていて――索敵に向いている呪霊はもちろんこっちのことを避けていたからだ。彼のような人間が結界内にいればなおさらだ――回収の車を待ちながら、古びたバス停の待合小屋のベンチにくたくたの身体を乗せていた。携帯端末を開いて迎えを呼べど、途中の道が雪で通行規制が起きていて随分遅くなりそうだという連絡だけが返ってくる。地図アプリを見ればトラッカーはまだ東京都内を示していて、まだ時間が相当かかることは目に見えていた。
この任務のあと、水に沈む事がわかっている集落はとうに住民も離村していて、人の気配があるわけもない。呪霊どころか獣の気配すらない土地でふたり、行きしな持ってきた灯油で古びたストーブを点けたこの待合小屋だけがいまの活動限界で、薄く換気のために開けた窓が風で鳴る以外の音もなかった。夏油は黙ってベンチで携帯端末を弄っていて、
マリエは持参したペットボトルの冷え切ったお茶で喉を潤すことしかできない。
「あのさ、
マリエ」
「はい」
「こないだのこと、まだ怒ってるのかな」
携帯端末を開いていた夏油は、その端末の画面を落として上着のポケットに仕舞う。する、と衣擦れの音すら耳に届く程度には静かな夕暮れだった。爪先がまだ冷える。
マリエは冷え切った足をストーブの方向へ伸ばしながら夏油の顔を見上げる。
「……なんのことですか?」
「ないことにされちゃうと、私も寂しいんだけど」
こないだホテルに誘ったこと、と柔和な顔で夏油は続ける。そう告げた途端に
マリエの耳は気温に対して不可解に赤くなって――反応がわかりやすいところが夏油は一番気に入っていた――ちいさくはい、と返事が返ってくる。
「別にもう初めてでもないじゃないか」
「嫌なわけじゃないんだけど……」
「いやじゃないのに、ずっと会えなかったね?」
マリエの目が、夏油の顔から泳ぎに泳いで虚空を見つめていた。それは羞恥の末のことだったが――入学して環境に慣れたと思ったら、こうして夏油に真っ直ぐに好意をぶつけられて、その不可解さに驚くと同時に衆目環境ではやはり恥ずかしさが勝ってしまう。おまけにいつも自主練では地面に組み敷かれてしまうし――夏油は知ってか知らずかこうして過去を蒸し返すし。
夏油は後輩ができてからというもの、この後輩にちょっかいを掛けては、平日は自主練の邪魔を、休日はデートに誘っては逃げられていた。彼の勝率は秋からやっと変化し、冬になりかけたくらいの季節にキスをして以来その距離は急速に近づいていた。
デート、といっても東京の奥地に閉じ込められたハイティーンなんてかわいらしくふたりで並んで電車に揺られて、都心で買い物をして服を買い、カフェでお茶をして、そのまままた電車に揺られるだけなのだけど。いずれも出身は東京だったから、さして渋谷も新宿も目新しく映らず、こっちに寄りたいんですけど、だなんて他人行儀なままデートは進む。秋の半ばに出かけたときは冬向きのニットの色味で迷っていて、こっちが可愛いんじゃないかなと夏油が意見を告げたときも耳を真っ赤にしてそうします、だなんて言っていたなと思い出す。今とおんなじだ。
「好きな子の気配がするのに会えないのって、結構厳しいものがあるんだけど」
「そんな……」
「私のことが嫌いなのかい?」
そんなことないです、と虚空を見つめるのをやめて、足元ばかりを見つめるようになった
マリエは消えそうな声で答える。夏油はいつもこういう問いかけをする。否定できないことばかりを疑問にして投げつけて反応を楽しんでいる。それはもちろん出かけたときだってそうで、今まで何人くらいこれに泣かされた人がいるんだろう、と
マリエは思っていた。そしておそらくそれに+1されてしまう自分のこともつい案じてしまう。いずれ寂しくならないように、深入りなんてしたくない。
そんな彼女の思いとは裏腹に、夏油はいつだってこうして距離を詰める。とはいえその行動は密やかで、それぞれの同級生たちも夏油と彼女が放課後を過ごすことがあるだなんて知らないようだった。
「じゃあやっぱり、私達好き同士だね」
「それはそうだけど」
「けど、なんだい」
夏油は冷えた
マリエの右手を握る。ベンチに投げ出したままのその手は不意の夏油の行動に対応しきれないまま握り込まれてさらに半身の距離を詰められる。大きくて温かい夏油の手と、手慣れたその言動に不意の胸の高鳴りを覚えつつも
マリエはその場を動くこともできなかった。自分でなかったら、きっと喜んでこのまま身を寄せる人もいるのだろう、と思いながら
マリエは握られた手と夏油の顔を交互に見比べる。
「最初のが恥ずかしかったから……」
絞り出すように告げたのは真実で、十二月半ばの夜に密やかに夏油の部屋で行われた行為についてのことだった。その翌週に出かけて誘った結果、今日までの沈黙の日々が訪れている。
「痛かったりいやだったりした?」
「顔が、近くて」
「キスもしたことあるのに?」
「傑くんの顔、きれいだから」
明るいところで近くで見たら心臓が持たない気がしたの。そう言って
マリエは視線を手元に落として夏油の顔を見ようとしない。蛍光灯が自分の身体で影を作って手元を光から隠している。そのまま見上げたとしても彼女からしてみれば逆光だろうに。
「じゃあ今日慣れたらいいんじゃないかな」
そう言って夏油は
マリエの手を引っ張る。人ひとり分空いていたベンチの間に、そのまま横に倒れそうになって
マリエは夏油を一瞬見上げてしまった。そのまま夏油が腰を上げたので、頭を打つ前に腹筋で起き上がろうとすれば腕の下に手を回されていた。まるで猫を持ち上げるように不格好に持ち上げられていて――次の瞬間に座り直した夏油の膝に乗せられているのがわかった瞬間、落ち着かずにその膝から降りようとしてしまった。ストーブがあるから危ないよ、と向かいにいる夏油が囁いて初めてやっと
マリエは固まる以外にできることがないのを悟る。
「かわいそうに、冷えてるね」
「三時間も山を歩いたので」
「私だったら三十分程度で終わっただろうなあ」
「傑くんだったら簡単でしょ」
「あ、やっとこっち見た」
怪我の一つも起きなかったけれど、くたくたで立ち上がる気もしない。それでも本当はこの状況はあまり良くないのではないか、と思いながら
マリエは回された腕の範囲で夏油から遠ざかるように身を起こす。身を起こせば自分の視線と夏油の視線が近づくが、夏油の制服の中に埋もれてしまうよりかは良いように思えたからだった。
夏油の顔が近づいてきて、
マリエは目を伏せたがキスは一向に降ってこない。目を開ければ目の前に夏油の顔があって、目を開いたのを確認されてから少し乾燥した唇がくっついて、ぬるりと熱い舌が自分の唇に滑り込むのを感じて再び
マリエは目を閉じる。絶対にわざとだ、と思いながら抗議のために顔を離そうとしても、いつのまにか頭の後ろに手を回されていて離れることなんて許してもらえてはいなかった。
次第に夏油の手がするすると自分の背中から上着の中に潜り込んでくる。わかっていても、酸欠気味で歯列を辿られては、やっぱり抵抗もできない。――もっとも、自分が抵抗したいのかどうかはわからないが。空気を求めて自分が抵抗する度に溢れる、誘うかのような熱のこもった吐息に思わず羞恥を煽られる。どうして自分からこんなに誘うような音が出るんだろう、と
マリエはまわらない頭で考えても答えは一向に出てこない。ぴちゃぴちゃと唾液が音を立てるのも余計に耳をくすぐるのだ、そしてなぜかその音はすべて耳をそのまま通ってお腹の奥をくすぐって仕方がない。
捕食者を思わせるような、唇をすべて濡らしきってしまうキスのあと、息も絶え絶えの
マリエの身体に制服を超えて夏油の熱い手が滑り込む。ブラウスの裾をしまっていたはずのスカートの金具はいつの間にか外されていて、このまま床に立てばきっと落ちてしまう。だめ、と懇願しても夏油はやめる素振りも見せず、
マリエの肩に顔を寄せ、吐息とともにいいじゃないか、だなんて甘言を耳に溶かし込む。
こういう稼業をしているからこそだが、こんな至近距離で言葉を囁かれるのは初めての体験で、背中に緊張と、それからそれによく似た別の電気信号が走るのを
マリエは感じる。夏油の手がブラウスの裾からさしのぼるせいで、裾から冷気が
マリエの肌を洗う。そのせいで鳥肌が立っているのか、夏油の手に自分の体が弄れているせいなのか鑑別がつかずに声が漏れると、上から低い笑い声がして、
マリエは俄に恥ずかしくなってその場に崩折れたくなるのだった。
「だめっていうけど、ここまでして我慢できる?」
「……できる」
「私はズボン越しに
マリエが濡れてるのわかるんだけどね」
触るよ、と合意を求めつつ、しかしその返事を待たずに夏油は
マリエのスカートの裾を捲る。もう腰にひっかかるのみのその布は目隠し程度しかもう機能していなくて、どこから手を入れても結果は変わらなかっただろう。わざとらしく夏油は太腿から手をゆっくりと滑らせ、腿と下着の境目を指先で弄ぶ。ざらざらとしたレースが指で押されて、そわそわとくすぐったさと快感がダイレクトに立ち上って
マリエは吐息を零しかける。ちゅう、と夏油が自分の額にキスをしているのを感じて見上げれば、微笑みながら夏油は自分の視線を掴んで離そうとしない。
「ほら、これでも?」
腿のレースの際から夏油の指が滑り込んだタイミングとほぼ同時に、その指先からちゃ、と水音が立つのがわかる。自分でも気付いていたけれど、思ったよりも潤んでいた秘部につい神経が行き――夏油の指はそのままゆっくり浅いところで下着と
マリエの肌の間を辿る――不本意な快感に足を閉じようとしてしまう。そのせいで夏油の指が少し奥まった陰核に触れ、
マリエは続いて嬌声を上げ背をびくりと揺らす。
「っん…すぐるくん、だめえ……」
「我慢できてないね」
ゆっくりと同じところを指で擦りながら目の前の人物は視線を外さない。後戻りできないようにそろそろと
マリエを指先と視線で射止めては、言葉でも指先の状況を伝えてさざめく快感の波を煽り立てる。
マリエは夏油の手でびくびくと身体が勝手に反応するのについていくことができない。彼の膝の上で、焦げそうなほど見つめられながら身体のおくを弄られては漏れ出る声を止められず、ましてや快感から入り口をひくつかせ反応を夏油に伝えていた。不本意な快感なはずなのに、どこか期待していた気すらする。熱っぽくてつめたい視線を浴びながら快感を与える手に、我慢することなどできるわけがなかった。
我慢できないよ、と
マリエが吐息混じりに告げたのは夏油が指をさらにおくにすべらせかけたその時で、その言葉を合図に熱を帯びた手が下着のなかから抜かれて上着の前のボタンを開いていた。もっと欲しかったのに、と思いながら
マリエはそれを止めようと夏油の手首を掴んでも、抑止力になんて一切ならないまま上着のボタンは外され、ジッパーもいっしょに降ろされてしまう。自分で脱いでいるみたいだ、と思いながら
マリエは夏油の顔を見上げる以外できないし、相手は薄く微笑んだまま自分の衣服を掴んでいた。夏油は上着こそ脱がさないけれど、上着の間から手はブラウスのボタンにかかって、いつのまにかひとつずつ外されているのだった。
乱暴にキャミソールと、それからブラジャーがたくしあげられてからは性急だった。夏油の大きな手のなかでやわやわとふたつのふくらみは形を変え、指はしずんで奥の核をじわじわと辿る。この間はあまりにも乳首を触り過ぎたら下着をつけた時に痛いと詰られたっけ、と思い出しながらも指は確実に同じ道を辿っていて、指で絞り潰せば
マリエの喉の奥から快感を煮詰めたみたいな声が溢れる。
「あー…、だめぇっ、それ、だめえっ……!だめになるぅっ」
「これが好いの?」
うんうん、と何度か頷く
マリエに夏油は確認を続ける。きゅう、と指に込める力を足せばその声は悲鳴みたいに伸びて、自分を見上げる目にはうっすら涙が滲んでいるのすらわかる。そもそも、興奮してきたのかいくらか身体も温まってきているようで、手の触れる先の下乳が自分の手よりも熱を帯びているのに夏油は満足を覚えつつあった。
「こないだ乳首は痛いって怒ってたじゃない。痛いの好きになっちゃった?」
「ちが……あっ…い、いたいけど……びりびり、する……」
「びりびりするのが好きなんだね」
すき、と言わせてしまった。さっきまで照れて赤面していた彼女は、やっぱり顔を真っ赤にしながらその感想を口にする。そうさせたのは自分ではあるけれど、なかなかどうしてその姿は扇情的でいじらしい。膝がぎゅうと夏油の身体に寄せられていて、快感を自分の身体の中で持て余しているのを隠しきれていない。
弄びすぎて充血してきた乳首を、また指でとんとんと一定のリズムを刻みながら扱く。明らかにそれに連動して自分の上で腰が揺れるのを夏油は見過ごさない。スカートの端で隠れているけれど、夏油自身だって自分の上で繰り広げられる痴態には十分当てられていて、はちきれんばかりにズボンを膨らませているのを自覚している。知ってか知らずか、彼女はその上に足を擦りつけるけれど。いくつかのリズムの中で指先に力を加える度に
マリエの背筋がきゅうと引っ張られて、口から許しを請うようになる。それが彼女の最初の一番大きな快感の頂点だということを夏油は十分知っていた。
「…あっ、とまらな……あっ……!いい……?ね、い、いい?」
「お外だよ。シィーッ」
「す……あぅ…ッはぁーッ…ああぁっ」
「私を置いていくのかい?」
シィ、と囁いたのがきっかけだったのだろう、
マリエは夏油の肩に手を置いたまま絶頂を迎えていた。小さく開いたままの唇は震えていて、しゃくりあげながら吐息をこぼす。怖かったら私をみていてねと前回諭したのをを律儀に覚えているのか、外せないのか、とろとろに溶けた視線もそのまま自分に向けられていた。潤んだ目が熱っぽく自分を見つめているせいで、さっきの痴態がエコーのように瞼をめぐり、自分を急き立てるのがわかる。
夏油は彼女の乳から手を離し、がくがくと震える腰を掴んで持ち上げる。やだ、と抵抗の声はあるものの、自分の横に座らせなおし、その過程で落ちたスカートを拾って誰も座らない空いたベンチに投げる。ついでに自分のズボンにも手をかけ、ベルトを外して脱いでは一緒に投げてしまう。すぐるくん、と隣から小さい声がして、彼女が自分の下半身を見つめていることに気付く。
「私を置いていかないでよ。案内してもらうからね」
雑に下着を下ろして、上着の内ポケットの底にある避妊具を取り出して封を切る。どさくさに紛れて突っ込んでおいてよかった、と思いながら気持ちばかりが急いている。ベンチに座り直して膝を指差せば、彼女はやっぱりどこかとぼけたように隣に座ったままだった。
「おいで」
「……これを、いれるの?」
「そう。今度は私の番だからね」
おいで、ともう一度呼べば、びしょびしょで下着の役目を果たしていないそれを脱ぎながら――透明な糸を引きながら、見ないで、と彼女は小さく言う――おずおずと彼女は自分の前に立つ。さっきまで、服を着ていてもほぼ同じ姿勢だったのに恥ずかしがることも今更ないよなあ、と思いつつも夏油は彼女がゆっくりと確認しながら自分の上に座り直すのを導く。
膝をひらかせ、透明な雫が滴る蜜壺を指で開きながら、物欲しげにひらく入り口を渫う。指が溺れながらなかを擦り、ちゅうちゅうとやわらかな膣壁が夏油の指を吸う。名残惜しいがその指を抜いては屹立した陰茎を宛てがい、彼女の眉根が質量に気付いて寄せられると同時に一気に自分の方へ引き寄せおくまで沈めてしまう。さっき絶頂を迎えたばかりの
マリエの身体は緊張も解けてふわふわとしていたけれど、急に迎え入れた質量の大きさに喉の底から大きな湿った声が漏れ、なかはぎゅうぎゅうと押し返すかのように反抗していた。
「んんん……っ!ぁーッ……やぁ、……とまッてええぇ……ッ」
「止まってるよ。奥まで全部入ったね」
体格差のせいで、前回などはすべて入れてはいないと思う。自分の上に乗る姿勢のせいか、はじめてでなくなったせいか、今回ばかりは蜜をしとどに零しながら根本までずっぷりと飲み込んでいる。彼女が苦しげに息をつくので、飲み込んでいるだろう下腹部をそっと撫で回しながら落ち着くタイミングを伺う。はじめ、なかはぎゅうぎゅうとせまく押し返していたものの、動かさずともゆっくりなかを押し広げているようでやわやわと夏油の存在を許し始めていた。一番おくがあたっているのもよく分かる、質感の違う部位が夏油のさきにぴったり吸い付いていた。
マリエの息が落ち着き、熱を持った吐息が夏油の頬を撫でた頃――同時になかはゆっくり締め上げるように動いていた――彼女の腰を掴んで、一人で動くよう囁く。腰に手を添えられたまま、彼女は熱っぽい視線を夏油に捧げたまま前後に腰を揺らし、その度に奥がこりこりと角度を変えて押し当てられる。衝動性はなくともこれはこれで好い体験で、彼女が彼女なりにいいところを探し当てては勝手に快感を得、小さく果てようとするのも見ていて心地よい。大抵それには緊張と弛緩が伴うし――恥ずかしそうに吐息を漏らしながら、勝手に果てる彼女の淫靡さがいや増してくるのもなおよかった。勝手に自分の名前を呼んでいるのも、ここ半月ばかりのお預けには酷く心地よい響きだった。
そんな最中で、手が空いていたから、そう言い訳をする他理由は何もない。戯れにぱあん、と左手で彼女の尻を叩けば、乾いた皮膚の弾ける音と同時に悲鳴みたいなきゃっという嬌声が上がり、それからぎゅっとなかが締め付けられる。ぴくぴくと不随意にそれは締め上げを強め、一方で腰の動きは止まる。
「っあ……すぐ…るくん、叩いちゃ……や」
「その割に締まるね」
「そういう……んー……ッ……こと……言うのも……」
「もしかしてこれもびりびりしていいのかな」
もう一度叩けば語尾は悲鳴の中に消えてしまった。あまりにも瞳に急に涙が溜まったので、左手は腰から外して――彼女の下乳を支えながら指をふくらみの中に沈める。ぐにゃぐにゃとなかは自分のことを絞り上げ、さっきまで冷たかった身体はどこもかしこも温かそうに紅潮している。何度目かの絶頂を迎えたのか、彼女はまたぎゅうと夏油を捕まえて、ひとりで先に果てていた。
これらの反応が夏油の嗜虐性を煽ったのは言うまでもない。挿れる前から十分に興奮していたけれど、それ以上に彼女の中で自身が硬度を増しているのがわかる。いつもだったら肌を舌で這い、吸っては噛んで楽しむところだが今日はできないだろう。であれば、
マリエを叩いたときのかわいい悲鳴と、それから物欲しそうに吸い上げる身体、めちゃくちゃにしたあとに最後にすべてが欲しい。
そう思った瞬間に夏油は掴んでいた
マリエの腰を自分勝手に動かす。絶頂の最中に快感の波にまた捕らわれた彼女は泣きそうな声を上げていた。前後に動かされていた腰を勝手に両手で持ち上げては上下に揺らす。自分の腰を下から打ち付けながら、ばちゅばちゅと皮膚の当たる音と粘着質な水音、それから締め付けと摩擦感が夏油を追い詰める。中に出してしまいたい、と強く彼女の身体を抱き、自分の下からすぐるくん、と自分の名前を呼ぶ声がして、つい手をもう一度上げ――衝撃と一緒に彼女の絶頂を呼び、その波の中で一番奥にゆっくり吐精した。一番おくに押し付けるように長く擦りつけながら、腕の中で彼女が快感に身を揺らしていたのに気づき、震えの残るふくらはぎを手で撫でながら自分にしなだれかかる
マリエを抱き直す。
***
帰りの車がくるまで、服を適当に着直させ、空いているベンチに
マリエの身体を横たえていた。限界まで酷使させたせいで息も絶え絶えになった彼女は脱いだ下着とスカートを身に着け、睡魔に身を任せている。数時間後に迎えがきてもそれは変わらず、報告をしたあとすぐに車で寝入っていた。彼女が三時間も山に、と報告した時点で、夏油以外の誰でもその疲労の原因が任務のそれだと結びつけるだろう。上着の下に隠されたままのブラウスは乱れたままだし、下着だって替えがないからめちゃくちゃな状態だけれど。
そして後日、授業に差し障りがあるからと腰に手を掛ける度に叩かないように諭されるようになる。小さく告げられた理由を耳にした夏油は、その困った
マリエの姿見たさに間に引かれた学年差を羨むのだった。
「座るといたくて思い出すの」
20220104 chloe first post in pixiv and reprint in 20220601.
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